赤道直下で暮らすガラパゴスペンギン

世界で2番目に小さいガラパゴスペンギン

ガラパゴス諸島を訪れると、ぜひ出会いたい憧れの生き物のひとつがガラパゴスペンギン(英名:Galápagos Penguin)です。
世界で唯一、赤道直下の熱帯で暮らすペンギンとして知られるこの鳥は、ガラパゴスならではの進化の象徴ともいえる存在です。

ポージングをする愛らしいガラパゴスペンギン

特徴

ガラパゴスペンギンは体長約50cm、体重は平均2.5kgの小型ペンギンで、温暖な気候に適応したスリムな体型をしています。そのため、崖の小さな穴や割れ目に身を隠して太陽から身を守ることができ、必要とする生息スペースも少なくて済むため、繁殖地が非常に限られている中でも生き抜くことができます。

また、気温が高くなると海洋生物が減り、食糧が不足することがありますが、小さな体は少ない食料でも生き延びやすく、エルニーニョなどの気候変動にもある程度対応できます。

体色は背中が黒、腹は白、頭部は黒で顔を白い輪が囲み、くちばしの下側は淡いピンク色、目の周囲には白いアイリングがあります。

泳ぎは非常に得意で、水中では最大時速35kmで泳ぎ、方向転換もお手の物。陸上では少し不器用なヨチヨチ歩きですが、海中では弾丸のように非常に早いスピードで泳いでいます。

獲物を探している様子。ピンク色のくちばしとアイリングが特徴的。

食べ物 / 捕食行動

ガラパゴスペンギンの主な食べ物は、冷たい海に生息する小魚(アンチョビ、イワシ、ボラ)で、時にはイカやタコなどの軟体動物を捕食することもあります。日中は沿岸部で狩りを行い、小さな体と素早い泳ぎを活かして魚を追いかけます。短距離での急旋回やスピードを駆使して捕食する姿は、水中での驚異的な素早さを示しています。

連なって魚を捕るガラパゴスペンギン

生息地と繁殖

ガラパゴスペンギンは主にガラパゴス諸島西部、主にイサベラ島西部やフェルナンディナ島のプンタ・エスピノサ周辺に生息しています。そのほか、イサベラ島プエルトビジャミル付近やバルトロメ島、サンティアゴ島、フロレア―ナ島周辺の海でも観察できることがあります。
日陰や洞窟のある溶岩の岩礁を好み、海へのアクセスがしやすい沿岸部に巣を作ります。

繁殖期は通常、5月から12月の涼しく乾燥した季節に行われます。この時期は南極からフンボルト海流が流れ込み、栄養豊富な冷たい海水がガラパゴス諸島に届くため、ペンギンたちは十分な餌を得ながら繁殖することができます。

1回の産卵で1〜2個の卵を産み、オスとメスが交代で35〜40日間抱卵します。孵化後も両親が交代でヒナに餌を与え、ヒナは8〜9週間ほどで羽毛が生え揃います。

ガラパゴスペンギンを守るために

ガラパゴスペンギンは世界で最も希少なペンギンの一種で、個体数は現在もなお約2,000羽と少なく、2000年IUCNレッドリストでは「絶滅危惧(EN)」にも指定されています。
天敵はガラパゴスノスリ、フクロウ、ヘビ、サメのほか、外来種の猫、犬、ネズミなど。さらに、エルニーニョにより海水温が上昇すると、餌となるプランクトンや魚が減少します。1982年の大エルニーニョでは、ガラパゴスペンギンの個体群の約77%が死亡しました。

ガラパゴスの保護団体は、積極的な保護活動を継続的に行っています。繁殖地不足を補うため、2010年には人工巣120個を設置し、若鳥の観察割合は45%から60%に増加しました。

さらに2020年には、チャールズ・ダーウィン財団がイサベラ島とフェルナンディナ島で過去最高の巣作り数を報告しています。これは、海流の影響やコロナ禍による観光の減少が好影響を与えたと考えられています。
現在もガラパゴス国立公園や研究機関では、人工巣の設置や生息地の保護、外来種の管理などを継続して行っています。

岩礁の上で日光に当たっている様子。

ガラパゴスペンギンは、赤道直下の過酷な環境に適応した、小さくてもたくましいペンギンです。
陸上でその愛らしい姿を観察するだけでも感動的ですが、海で泳ぐ姿に出会えれば、さらに特別な体験になることでしょう。
ガラパゴス諸島を訪れた際は、ぜひシュノーケリングやクルーズで、元気に泳ぐ彼らの姿を間近で観察してみてください。

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