ガラパゴス諸島のユニークな生き物たち

海で浮かぶ孤島で長い年月をかけ独自に進化したガラパゴス諸島の生き物たち。
そのユニークな生態を知れば知るほど、生き物の不思議な力に驚かされることでしょう。

ガラパゴスゾウガメ Galapagos Giant Tortoise(固有)

ガラパゴスゾウガメ Galapagos Giant Tortoise(固有)

諸島の名前の由来となった、世界最大のリクガメ。大きいものでは体重が250kg以上に達する。人間による乱獲と野生化した家畜等の影響でかつての15亜種から、現在は10亜種が残るのみ。国立公園局やダーウィン研究所が中心となり、保護・繁殖活動が進められている。

ガラパゴスリクイグアナ Galapagos Land Iguana(固有)

ガラパゴスリクイグアナ Galapagos Land Iguana(固有)

体長100~120cm、寿命はおよそ60~70年。木に登れないので、餌を確保するためにウチワサボテンを中心にテリトリーを持つ。繁殖期には体色の黄色が鮮やかになる。他にサンタ・フェ島固有のリクイグアナ、イサベラ島ウォルフ火山には新種のピンクイグアナも生息する。

ガラパゴスウミイグアナ Galapagos Marine Iguana(固有)

ガラパゴスウミイグアナGalapagos Marine Iguana(固有)

ガラパゴスリクイグアナと祖先を同じくするとされるも、世界で唯一、海に潜って海草を食べるイグアナ。変温動物のため冷たい海から上がると、岩の上などで身を寄せ合って体を温める。尻尾は水を掻けるよう平たく、また荒波に流されぬように鋭いカギ爪を持つよう進化した。

ガラパゴスアオアシカツオドリ Galapagos Blue Footed Booby(固有)

ガラパゴスアオアシカツオドリGalapagos Blue Footed Booby(固有)

全長約85cm。諸島で見られる3種のカツオドリの中で、最も広く、開けた場所で営巣し、沿岸で採餌する。名前の通り、鮮やかな青い足が愛くるしい。片足ずつ足を上げて足踏みする求愛ダンスは、観察者の目を釘付けにする。

アカアシカツオドリ Red Footed Booby

アカアシカツオドリRed Footed Booby

全長約75cm。3種の中では一番小さい。個体数は一番多いが、営巣地が諸島の周辺部の島々で、かつ沖合で採餌を行うため、人の目に触れることが少ない。成鳥の体色は褐色と白色の2タイプがある。水掻きがあるにも関わらず、真っ赤な足で枝に止まり、巣も樹上に作る珍しい鳥。

ナスカカツオドリ Nazca Booby

ナスカカツオドリNazca Booby

全長約90cm。3種の中で一番大きく重いので、内陸よりも飛び立つときに上昇する気流を利用しやすい断崖近くに営巣する。両眼を取り囲む黒い部分が、正面からは顔に仮面をつけたように見える。白と黒のツートンカラーの翼が鮮やか。

ガラパゴスアメリカグンカンドリ Magnificent Frigatebird(固有)

ガラパゴスアメリカグンカンドリMagnificent Frigatebird(固有)

翼長240cmにも及ぶ、世界最大のグンカンドリ。海鳥ながら羽に撥水性がなく泳げないため、水面ぎりぎりを飛行して先の曲がったクチバシで餌を引っ掛けて捕る。時には他の海鳥の獲物を略奪することもある。オスが真っ赤なのど袋を膨らましメスに求愛する様は、見応えがある。

ガラパゴスペンギン Galapaogs Penguin(固有)

ガラパゴスペンギン Galapaogs Penguin(固有)

全長約50cm。世界で18種生息するペンギンのうち、唯一熱帯域に生息し、3番目に小さい。フンボルトペンギンの近縁種で、南極から南米沖を北上する寒流に乗ってたどり着いた後、進化したと考えられている。生息数が少なく、繁殖地も主にフェルナンディーナ島、イサベラ島に集中している。

ガラパゴスコバネウ Flightless Cormorant(固有)

ガラパゴスコバネウFlightless Cormorant(固有)

ターコイズブルーの眼を持ち、世界中にいる29種の中で唯一、潜水に有利なように羽を退化させたため、もはや飛ぶことが出来ない希少種。海中の豊富な餌に恵まれた諸島西部のイサベラ島とフェルナンディーナ島に生息域が限られている。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross (固有)

ガラパゴスアホウドリWaved Albatross (固有)

春分の日を迎える頃まずオスが飛来し、メスが後からやって来る。諸島ではエスパニョーラ島にのみ営巣する。12月に繁殖シーズンは終わり、ペルー沖へ飛び立つ。雛はペルー沖で餌を捕りながら過ごし、4~5年後に伴侶を求めて再び戻ってくる。生涯同じ相手と連れ添う。

ガラパゴスカッショクペリカン Galapagos Brown Pelican (固有)

ガラパゴスカッショクペリカンGalapagos Brown Pelican (固有)

上空からダイビングし、のど袋に魚を取り込んで採餌する。繁殖期を迎えたオスは首筋が茶褐色になり、白い頭とのコントラストが美しい。海岸のマングローブなどに巣を作る。人に物怖じしないので港や桟橋、魚市場などでもよく見られる。

ガラパゴスアシカ Galapagos Sea Lion(固有)

ガラパゴスアシカGalapagos Sea Lion(固有)

カリフォルニアアシカの近縁種で、絶滅したニホンアシカとも近い。雌雄体格差が大きく、オスの大きいものは250kgに及ぶものもある。一年に一頭出産するが、授乳期間は2年にも及ぶ。ガラパゴス諸島全域で見られ、約50m間隔で一頭の強いオスを中心にハーレムを形成する。

ガラパゴスオットセイ Galapagos Fur Seal (固有)

ガラパゴスオットセイGalapagos Fur Seal (固有)

南極近くの冷たい海が起源と言われ、アシカの好む暖かい砂浜は苦手とし、海流の冷たいエリアの岩場の日陰や溶岩の隙間などで日差しを避けている。夜行性のため、昼間はあまり活動しない。体はアシカより小さく、前脚が発達している。体毛は厚く、耳介が立っていて、鼻先が短い。

アオウミガメ Green Turtle

アオウミガメGreen Turtle

ガラパゴス諸島はウミガメの世界最大級の繁殖地の一つ。肺呼吸をするため、数分に一度海面に浮上し顔を上げて呼吸を行う。主に海草を食べ、砂浜の小高い場所に産卵する。産卵は周年観察できるが、1~6月に集中する。

ダーウィンフィンチ Darwin’s Finches(固有)

ダーウィンフィンチDarwin’s Finches(固有)

全長15cm前後、雀ほどの大きさのホオジロ科の小鳥。13種が諸島全域に生息する。昆虫・木の実を餌にするもの、小枝を道具にするものや、カツオドリの血を吸うもの、サボテンに餌をたよるものなど、食物に応じて多様なクチバシを持つ。滞在中に何種見られるかも一つの楽しみ。

マネシツグミ Galapagos Mockingbirds(固有)

マネシツグミGalapagos Mockingbirds(固有)

諸島全体では4種が知られていて、そのうち1種は7亜種に分類される。名前は他の動物や鳥の鳴き声を真似することに由来する。好奇心旺盛で人間にも近づいて来る。クチバシの顕著な違いはチャールズ・ダーウィンの進化論のヒントとなった。

ガラパゴスノスリ Galapagos Hawk(固有)

ガラパゴスノスリGalapagos Hawk(固有)

ガラパゴス諸島の陸上食物連鎖の頂点に君臨する希少種。鋭いクチバシと爪を持ち、上空から獲物を狙う。好奇心が強く、人の近くまで飛んで来ることもある。ダーウィンが立ち寄った時代には銃口で叩き落せたほど。オスよりもメスが一回り大きく、一雌多雄制の特異な繁殖形態を持つ。

オオフラミンゴ Greater Flamingo

オオフラミンゴGreater Flamingo

固有ではないが、ガラパゴス諸島においては希少な鳥。塩水または炭酸塩を含む浅い潟や湖で繁殖、鮮やかなピンクは、小エビなど餌に含まれるカロチノイド色素による。若鳥の色は薄く、成鳥に近づくに従って濃くなっていく。

ヨウガントカゲ Lava Lizard(固有)

ヨウガントカゲLava Lizard(固有)

体長20cmほど、形や体色、行動の異なる7種が分布。オスのほうは体が大きく、斑模様がはっきりしている。雌は地味な体色だが、顔から喉の周りにかけて赤いのが特徴である。テリトリー意識が強く、敵に対する威嚇やメスへの求愛として腕立て伏せ行動をとる。

アカメカモメ Swallow-Tailed Gull(固有)

アカメカモメSwallow-Tailed Gull(固有)

頭の黒色に大きな眼の赤い縁取りが映え、グレイと白の体色もバランスよく、世界で最も美しいカモメと言われる。カモメ類では珍しく夜行性で、太陽が沈んでから採餌を始める。クチバシの白い斑点は雛が餌を受け取りやすいよう目印となる。

アカハシネッタイチョウ Red-Billed Tropicbird

アカハシネッタイチョウRed-Billed Tropicbird

体長の約半分、40~50cmに達する長い尾羽を優雅にたなびかせながら飛翔する。鮮やかな赤いクチバシ、白い体色に黒い羽のバランスが実に美しく、「熱帯の貴婦人」と形容される。切り立った断崖や、険しい岩の斜面のくぼみなどに営巣し、イカや小魚を主な餌とする。

アメリカミヤコドリ American Oystercatcher(固有)

アメリカミヤコドリAmerican Oystercatcher(固有)

朱色の長いクチバシが特徴的。潮が満ち引きする潮間帯に生きる、小さなカニや貝を餌としている。番いで観察されることが多く、“クリー、クリー”と高鳴きする。二枚貝を見つけると、砂地にいったん立てて、尖ったクチバシで貝殻をこじ開ける。

ガラパゴスベニイワガニ Sally Lightfoot Crab

ガラパゴスベニイワガニSally Lightfoot Crab

諸島の岩礁性の海岸に広く分布する。藻類が中心だが雑食性。未成熟個体では暗色の甲羅に小さな黄斑が散在する。脱皮を繰り返しながら成長し、成熟個体ほど朱色が鮮やかである。甲長は約6cm。かつては地元住民たちがスープにしていたが、現在は捕食が禁じられている。

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